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香港からの政治亡命を受け入れるべき

数日前に中国の秘密警察に関して、 日テレのニュースゼロ で、コメンテーターの落合陽一が「大人の対応で見て見ぬふりをするべき」などと言っているのを聞いて腐った大人にうんざりしていたが、 朝日新聞の社説 は比較的マトモで安心した。次のように書かれている。 だからこそ各国が声を上げ、行動を起こすことがいっそう求められる。NGOの告発をきっかけに現在、拠点閉鎖を命じたり調査を進めたりする動きがあるという。習政権に対する一定の牽制効果はあるだろう。 日本に求められる対応としては「拠点閉鎖を命じたり調査を進めたりする」ということの他にも、香港からの政治亡命者の受け入れがあるのではないかと思う。調査をするだけではあまり意味がないし、拠点閉鎖を命じたとしても他の場所に移転するだけだろう。香港からの政治亡命者を受け入れるということが、中国に対する一番のメッセージになるはずだ。 一連の報道の発端になっているのは、香港人留学生がパスポート更新のために帰国した際に、日本国内でFacebookに「香港独立が唯一の出口」と書き込んだことが国安法違反で逮捕された事件だ。今後こうしたことが起こらないようにするためには、政治亡命者を受け入れるというのがもっとも実際的で有効な対策だろう。それは人道にかなったことでもあるのだから行うべきだ。

『フリーダム』が発売されました

羅冠聡(ネイサン・ロー)、方禮倫(エヴァン・ファウラー)著『フリーダム』は、本日発売です。こちらはTwitterでたまたま見かけた投稿です。 ネイサン・ロー氏 @nathanlawkc の著書Freedomの翻訳本が発売されました。東京堂書店の香港コーナーにも。いつも沢山の香港関連の書籍が並んでいて勇気をもらっている、大好きな場所です。 #フリーダム   #ネイサン・ロー #Freedom #羅冠聰 #FightForFreedomStandWithHK 🍎 ©︎YONJI pic.twitter.com/ZY3h7kgtkV — YONJI (@YONJI85412376) April 25, 2023 引用の写真は東京堂書店の香港コーナーとのことですが、『フリーダム』の下にエリカ・チェノウェス著『市民的抵抗』が置かれているのがさすがだと思いました。これは僕が『フリーダム』との関連で読まねばならないと考えていた本です。この本は「3.5%が動けば社会は変わる」というテーゼを打ち出していることで有名です。 2019年6月16日、香港では3.5%どころか人口の25%にあたる200万人が抗議デモに参加しましたが、政府はその要求を無視して力で押さえつけました。これが何を意味するのか深く考える必要があると感じています。  

拡声器を買うか迷い中

『フリーダム』の翻訳をやっている間は、家に閉じこもって机の前でひたすら作業に没頭する感じだったのだけど、一段落ついたので街頭に出て社会運動でもやろうかと考えています。 ただどういう活動をするべきなのか迷っています。 拡声器を買って街頭演説をするべきだろうか? ギターを抱えてプロテスト・ソングを歌うほうがよいだろうか? それとも通行人にビラを手渡すのがよいだろうか? とりあえず全部試してみればいいのだろうけど、いずれもあまりマトモな大人のやることではないような気がしてしまって、ちょっと気後れしています。昔よりも臆病になったのかもしれません。

フリーダム運動とは何か(1)

フリーダム運動とは、革命秘密結社・季節社の理念を具現化した運動である。それは社会運動ではなく、身体運動である。つまりそれはダンス、あるいは気功のようなものである。ただし決まったステップや振り付けはない。自己の内奥の深い欲求に耳を澄まして自由に運動するフリー・スタイルを特徴とする。 「フリーダム運動」という名称は、香港の民主化運動家である 羅冠聡(ネイサン・ロー)氏の著書『フリーダム』 に由来する。とはいえ、羅冠聡氏はフリーダム運動の提唱者ではないし、フリーダム運動の存在すら知らない。フリーダム運動は、われわれが勝手に創始したものである。 この運動を創始するにあたってわれわれは、誰の許可も取っておらず、誰の賛同も得ていない。しかし、香港を含む世界各地の民主化運動を応援し、自由を求める人々への支持を表明することは、フリーダム運動の重要な理念である。われわれは、すべての人が持つ潜在的可能性を信じるがゆえに、自由と民主主義を支持するのである。

怪文書を作成しました

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秘密結社化のお知らせ

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国家安全維持法による取り締まり強化を受けて、季節社を秘密結社化することにしました。これからも自由を愛する革命秘密結社・季節社をよろしくお願いいたします。主な信条は次のとおりです。 自己の最も深い欲求に従って自由に生きることを目指す。権威に盲従する生き方を否定する。 自己の最も深い欲求が、他者への愛と切り離せないものであることを信じる。利己的な自我に囚われた浅ましい生き方の変革を目指す。 変革のための道が一つではないことを認める。 自由を愛する同志が虐げられているときは手を差し伸べて共に闘う。  

ドキュメンタリー『ナワリヌイ』

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羅冠聡(ネイサン・ロー)のドキュメンタリーはまだ日本では観れないが、『ナワリヌイ』はすでに日本で観れる。まだ観てないなら観るべきだ。アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した作品で「どんなスパイ映画よりもスリリング」というキャッチコピーは決して誇大ではない。 数日前、収監中のナワリヌイが また毒を盛られたというニュースが流れた 。三年前にもナワリヌイは、プーチンに毒を盛られて重体に陥っている。ドキュメンタリーはそのときのものだ。このときはドイツで治療を受けることができたので命を取り留めたが、今回はどうなるか分からない。

独裁禁止条約をつくろう

先日、ニューズウィークで「 『独裁者を任期制』にする国際法を真剣に考える時期にきている 」という記事を読んだ。書いたのはカウシク・バス(KAUSHIK BASU)というインド出身の経済学者。  「独裁者は当該国だけの問題ではない。世界中に波紋を広げ、万人の利益に反するからこそ、各国元首の任期を世界統一基準で縛る国際法が必要」というのがその主張の根拠だ。プーチンの起こした戦争を考えてみれば、この主張はもっともだ。独裁者を任期制にする国際法をつくるというのは、良いアイデアだと思う。任期だけでなく、権力の集中についても国際法で制約するべきかもしれない。 もちろん、 これだけで問題を解決できるとは思わない。独裁禁止条約を作ったところで、独裁者たちはそれを批准しないだろうし、批准したところで抜け道をつくってそれに従わないだろう。おとなしくそれに従うような者は、そもそも独裁者になっていないはずだ。 しかし、そうであっても独裁禁止条約が存在すれば、独裁を批判する根拠となるはずだ。そこに独裁という悪があるのだということに当事国の民衆が気づくのを手助けする役割も期待できるだろう。また、こちらのほうが現実的だろうが、民主制が独裁制に転落することを防ぐ効果が期待できるだろう。国際条約の存在は、独裁に対して国際社会が介入するための根拠ともなる。 ひとたび独裁制に転落したら、方向転換して民主制に戻るのは容易なことではない。民主的な方向転換が不可能になってしまうからだ。独裁者の慈悲にすがるか、あるいは暴力的に独裁政権を打ち倒すしかなくなる。それに大きな犠牲が伴うことは、ミャンマーの内戦などを見るまでもなく明らかだろう。

Yahoo知恵袋でCAMPFIRE社と中国の関係を質問してみた

質問してみたってだけでオチも回答もないです。 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14278521024?__ysp=576F5Yag6IGh 以下、全文引用。 香港の民主化運動家、羅冠聡(ネイサン・ロー)さんの著書を広めるためのクラウドファンディングを立ち上げようとしたところ、CAMPFIRE社に掲載を拒否され、再申請も不可とされました。 しかし、掲載拒否の理由について一切説明がなく、問い合わせにも応じられないとのことでした。 羅冠聡さんは、周庭さんと一緒に活動していた方で比較的穏健な主張の持ち主です。掲載を拒否する正当な理由が見当たりません。CAMPFIRE社かその関連会社が、中国との何らかの依存関係を持っており、それを人質に取られているため中国を怒らせかねないプロジェクトの申請を却下したのではないかという気がしています。 そこで質問なのですが、CAMPFIRE社と中国との関係について何か知っている方がいたら教えていただけないでしょうか? あるいは掲載を拒否する別の理由が考えられるでしょうか?  

ドキュメンタリー『羅冠聡を恐れるのは誰か?』

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カナダのHOC DOCSドキュメンタリー・フェスティバルで、羅冠聡(ネイサン・ロー)を描いたドキュメンタリー『 Who’s afraid of Nathan Law? 』が上映されます。「21歳で革命リーダー。23歳で立法会議員。26歳で最重要指名手配者。香港の雨傘革命のリーダーたちに密着し、世界で最も有名な反体制派の1人であるネイサン・ローが、大国を相手に民主化を求めて戦う姿を描いた作品です」 ディレクターは『 ジョシュア:大国に抗った少年 』と同じジョー・ピスカテラ。黄之鋒(ジョシュア・ウォン)を中心に描いたこの作品はNetflixで僕も観ましたが、非常に優れた作品だったので今回も期待できます。『ジョシュア』では、2012年の反国民教育運動から、2014年の雨傘運動を経て、2016年のデモシスト党首・羅冠聡の立法会議員当選までを描いていたと記憶しています。 その後、議員資格剥奪と投獄、民主化運動の停滞期を経て、2019年の大規模デモ、2020年の国安法による弾圧によって羅冠聡は亡命し、黄之鋒と周庭は投獄という過酷な運命を辿ることになるわけですが、今回の 『 Who’s afraid of Nathan Law?』ではそれが描かれているのでしょう。 羅冠聡さん本人が言うところでは「これは2014年と2019年の2つの運動を結びつけた数少ない香港のドキュメンタリー映画である」とのことです。予告映像はちょっと地味な気もしましたが、早い時期から、羅冠聡、黄之鋒、周庭といった面々に取材を重ねてきたディレクターによる作品なので、中味の濃いものになっているはずです。 いずれこの作品もNetflixなどで視聴できるようになるものと期待しています。 

『フリーダム』の見本が届きました

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予定よりも少し早く『フリーダム』の見本が届きました。 表紙の黄色は、香港の民主化運動のシンボルである 雨傘 です。著者の羅冠聡(ネイサン・ロー)さんは、雨傘運動の学生リーダーの1人でした。白と黒の縞模様は、街の 横断歩道 ですが、日常の街の風景が人々を閉じ込める 鉄の檻 へと変わってしまうことを表しています。

『フリーダム』の宣伝が難航中

4月25日に発売予定の『フリーダム』ですが、その広告活動が難航しています。新聞広告を打つ予定で、クラウドファンディングを始めたのでTwitterで広告したのですが、平均クリック単価(CPC)が1785円という、どう考えても異常な高額になったことも大きく影響しています。 クリック単価1785円だと、本の定価を超える値段です。時期によって変動もあるでしょうが、ネットで検索すると相場は25円〜100円だとか25円〜200円ほどだと書かれている事が多いです。最近は価格が下落しているため3〜10円で入札できると書いている人もいました。そういう状況下で、1785円です。異常です。Twitter広告のバグか、あるいはTwitter社の誰かが人為的に操作してクラウドファンディングを妨害しようとしたのではないかと疑わざるを得ない価格です。競争の激しい分野に入札しているわけではないのに、あきらかにおかしいです。 ぼったくり価格なのでわずか28クリックで、1日あたり5万円の予算を使い果たすことになりました。 クリック率はそれほど高くなくて0.14%ほど。インプレッション数で計算すると、1000インプレッション数あたり2500円ほどでした。インプレッション課金の場合は、1000インプレッション数あたり400円〜600円ほどが相場ということですから、やはり割高です。(広告出稿は1日で停止しました) 現在Twitter社に問い合わせ中ですが、何者が人為的にCPCを操作したのではないかと真剣に疑っています。とにかくあり得ない値段です。 現在Google広告に切り替えていますが、いまのところ平均クリック単価19円です。入札競争の激しい分野ではないのでこの程度の価格が妥当だろうと思います。 広告とは別の話ですが、Twitter上で2019年の香港のデモを応援していた人たちが、お金は出さないまでもツイートのシェアくらいならば協力してくれるのではないかと期待していました。それも期待はずれな結果になりました。ツイートに気づいていない可能性もあるし、あるいは何か考えるところがあるのかもしれませんが、いずれにせよ期待していたよりも反響が小さいです。現在3人しか支援者が集まっておらず、今後も増えそうにありません。 そもそも、クラウドファンディングを実施するのも難航しました。最終的には、 MOTION GALLE

フリーダム

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香港人の自由はいかにして奪われたか、それをどう取り戻すか 羅冠聡 (ネイサン・ロー)、 方禮倫 (エヴァン・ファウラー) 著 中原邦彦 訳 本体1600円+税 ISBN978-4-87369-106-0 2023年4月発売 四六版並製 256ページ 自由のために行進したすべての香港人にこの本を捧げる。彼らの犠牲、なかでも、民主主義を求めて投獄された僕の友人たちの犠牲を、忘却させてはならない。 【著者紹介】 羅冠聡 ( ら かんそう ) (ネイサン・ロー)   2014年の雨傘運動の学生リーダー。 2016年に黄之鋒(ジョシュア・ウォン)や周庭(アグネス・チョウ)らと共に結成した香港衆志(デモシスト)の党首として、香港史上最年少の立法会議員に当選する。しかし翌年、政治弾圧のために議員資格を剥奪され、投獄される。 2020年にイギリスに政治亡命。国際的提言活動に尽力し、同年、タイム誌で「世界で最も影響力のある100人」に選出される。ノーベル平和賞にも例年ノミネートされている。 * 5月27日の 朝日新聞に書評 が掲載されました。 * 6月3日の 日経新聞に書評 が掲載されました。 * 6月11日の 産経新聞に書評 が掲載されました。    【出版社より】 2023年7月3日、著者の羅冠聡氏らに対し、香港当局が1850万円の懸賞金をかけて指名手配することが報道 されました。羅冠聡氏はイギリスに亡命中ですが、拉致などの危険にこれまで以上にさらされることになります。 羅冠聡氏には「外国勢力と結託し国家の分裂を扇動した」疑いがかけられています。「外国勢力と結託」のうちには、弊社から『フリーダム』を出版したことも含まれるのかもしれません。香港当局は、「外国勢力」を萎縮させる効果も狙っているのであろうと推測されます。 もし羅冠聡氏が本当に指名手配に値するような危険人物であるならば、弊社も活動を控えるところです。しかし、羅冠聡という人物は、賞金首になるような危険思想の持ち主なのでしょうか?『フリーダム』から伝わってくる

いまここの「幸せ」の話をしよう

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仙人と道に迷った青年の対話 中原邦彦 著 本体1600円+税 ISBN978-4-87369-105-3 2022年8月発売 四六版並製 256ページ 【本文より抜粋】  迷子 仙人  おや、こんな山奥で人を見かけるとは珍しい。もしかして君は、道に迷った青年ではないかね? 青年  そうです! 僕は道に迷った青年です! どこに向かえばいいのか分からず途方に暮れていました! 仙人  そうか、それは大変だったろう。だが私に会ったからにはもう大丈夫だ。 青年  こんなところで人に会えるとは期待していませんでした。 仙人  暗くなる前に、近くの洞窟まで移動することにしよう。ついてきなさい。 青年  はい。 青い鳥 仙人  ところで、君はなぜこんな山奥に迷い込んだのかね? もしかして死に場所でも探していたのだろうか? 青年  そんなに暗い顔してますか? 道に迷ってただけですよ。 仙人  自分探しで道に迷ったのかね? 青年  いいえ、そんなもの探してないです。 仙人  ならば、幸せの青い鳥を追い求めてここに迷い込んだのだろうか? 青年  いいえ、そんなメルヘンじゃないです。バカにしてるんですか? 仙人  「青い鳥を追う」というのは、幸せになろうとして社会的な成功を目指すとか、夢を追うとか、何か欲しいものを手に入れようとすることだ。表現の仕方はともかく、それはメルヘンなことではないと思うがね。 青年  そういう意味なら、誰もが青い鳥を追い求めていると思います。幸せを追い求めない人などいるのでしょうか? 仙人  幸せを追い求めるのは幸せでない人だけだ。もうすでに幸せならば、それを追い求めたりしないだろう。 青年  まあ、そうかもしれませんけど、それはただの屁理屈ですね。 仙人  さらに言うと、幸せとは何であるか分かっていない人だけが、青い鳥を追い求める。なぜなら青い鳥というのは、追い求めると逃げてしまうからだ。追いかければ鳥が逃げるのは当然のことだろう。 青年  追えば逃げるというのならば、罠でも仕掛けておきますか? 仙人  そんな話をしているのではない。そもそも君は青い鳥を捕まえてどうするつもりなのだ? カゴに閉じ込めて、幸せを独り占めするつもりなのかね?  童話の『青い鳥』を知っ

私の身に起きたこと

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とあるウイグル人女性の証言 清水ともみ 著 本体1200円+税 ISBN978-4-87369-104-6 2020年10月発売 B5変形サイズ上製 【出版社よりコメント】 中国によるウイグル人への弾圧を告発するノンフィクション漫画。 ウイグル人による実際の証言にもとづく本作品は、2019年にウェブ上で発表されるや否や、衝撃を持って受け取られ、SNSで瞬く間に拡散されていきました。有志の手によって世界14ヵ国語に翻訳され、ワシントンポスト、ガーディアン、ブルームバーグ、CNNなど多くの海外メディアによって紹介されています。 作者の書き下ろしメッセージを付しての書籍化。ハードカバーの絵本のような装丁です。  * 収録作品については次のサイトで全編を無料で読むことができます。 https://note.com/tomomishimizu/n/nfd4c33d0fcdf * ウイグル人を助けたいという想いから、有志の方々が図書館などへ多数の寄贈を行ってくださいました。厚く御礼申し上げます。 * ご注文はオンライン書店もしくは全国の書店でお願いします。   ⧉ Amazon  /  ⧉ 楽天ブックス

村上春樹のせいで

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どこまでも自分のスタイルで生きていくこと イム・キョンソン 著 渡辺奈緒子 訳 本体1800円+税 ISBN978-4-87369-103-9 2020年11月発売 四六版並製 248ページ 【出版社より】 この本は読者にはすごく好評だったのですが、出版社の宣伝力不足で部数がいまいち伸びなくて著者や訳者に対して申し訳なく思っています。宣伝のやり方がよく分かっていなかったのです(今もよく分かっていません)。どんな感じの反響があったか、いくつかTwitterから拾い上げてみます。 『村上春樹のせいで』があまりにもよすぎて、この作者の未訳の本全てが読みたくなり、今から韓国語を始めようかと真剣に考える。 春樹が主人公の小説のよう。カーヴァーのところではちょっと泣いた。 村上春樹ファンにとっては、本棚のいい場所にある春樹本のとなりに置いて、時々読み返したくなる本 https://t.co/XJ9AKTPD5a — 山藤奈穂子 | 臨床心理士&公認心理師 | カウンセリングルームやまふじ | (@NaokoYamafuji) January 17, 2021 イムキョンソンさんの村上春樹のせいで読み終わった すらすら読めたから翻訳もすごく上手いんだろうな 村上春樹さんにあまり興味なかったけどこの本読んで偏見が消えた気がする 面白かった — miakilj3156 (@miakilj3156) October 31, 2020 青いカバさんで買った「村上春樹のせいで」ひじょーに面白い。途中だけどジャズ喫茶店主としてのQ&Aがばかみたいに楽しい — あんず (@pjcdm) November 7, 2020 イム・キョンソン 『村上春樹のせいで』 著者の村上春樹への愛が詰まったエッセイ。 これまで村上春樹が書いてきたこと、語ってきたことを紹介しながら、村上春樹の人生を丁寧に辿っていく。 また村上春樹を読みたくなった。 やれやれ。 本当に村上春樹のせいだ。 #読了 pic.twitter.com/gpPg8Mv83n

瞑想録

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静寂の言葉 OSHO 著 中原邦彦、庄司純 訳 本体1500円+税 ISBN978-4-87369-102-2 2019年11月発売 四六版並製 192ページ 【序】  群衆はいつも、雑多でゴチャゴチャしている。だが、雑多でゴチャゴチャした個人というのはいない。それぞれの個人は、真正な気づきのある意識だ。彼が群衆の一部となるとき、彼は気づきを失う。そして彼は、集団的で機械的な思考に支配されてしまう。私が取り組んでいるのはシンプルなことだ。──個人を群衆から引っ張り出して、個としての本性と気高さを彼に与えること。  私は、この世界にどんな群衆も望んでいない。宗教の名のもとに集まろうが、国家の名のもとに集まろうが、民族の名のもとに集まろうが、そんなことは関係ない。こうした群衆は醜い。群衆は、世界中で最悪の犯罪を犯してきた。なぜなら、群衆には、気づきがないからだ。群衆は、集団的な無意識だ。  気づきのある意識が、人を個にする。──風の中で踊る一本の松にする。太陽の光を浴びて栄光と美のなかにある一つの山の頂にする。一匹のライオンと何キロも谷間に響き渡るその凄まじく美しい咆哮にする。  群衆はいつでも羊だ。そして、過去のすべての努力は、それぞれの個人を、車輪の歯車に変えること、死んだ群衆の死んだ部品に変えることだった。気づきがなく無意識的であるほど、そして集団に強く支配されるほど、彼は危険ではなくなっていく。実際、彼はほとんど無害になってしまう。彼は、自分の奴隷性を打ち破ることさえできない。  反対に、彼は自分の奴隷性を美化し始める。宗教、国家、民族、人種──彼はこうしたものの奴隷なのだが、これらを美化し始める。個としての彼は、どんな群衆にも属していない。すべての子供は個として生まれる。だが、個として死ぬ大人はほとんどいない。  あなたが生まれたときと同じように、無垢のまま、統合された状態のまま、個としてあるがまま、死を迎えられるように手助けをするのが、私の仕事だ。誕生と死の間で、あなたのダンスは、星に達するほどの意識的な孤高を保たなければならない。独りで、妥協なく、反逆的精神を持て。反逆的精神を持たない限り、あなたはどんな精神も持てない。他の種類の精神というのは不可能なのだ。   【

沖ヨガ入門

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精神が肉体を自由にできる 沖正弘 著 本体1500円+税 ISBN978-4-87369-101-5 2019年11月発売 四六版並製 248ページ 【著者紹介】 沖 正弘(おき まさひろ) 1919 - 1985年。沖ヨガの創始者。「生命即神」と説く求道的で総合的な沖ヨガは、日本のみならず世界に影響を与えた。著書に『ヨガの喜び』(光文社)、『沖ヨガ美療』(季節社)など。   【出版社より】  本書は実質的に、二部構成となっています。第一部は、一章から六章までのインドでのヨガ体験記で、第二部は、第七章の「ヨガ実践教室」です。  読み通して面白いのは、何と言っても第一部でしょう。この部分は『ヨガの楽園──秘境インド探検記』というタイトルで昭和三十七年に発表されたものです。ずいぶん昔に書かれた本ではありますが、時間が経った分だけ本書は、そのあやしげな魅力が増してきた感があります。これはそもそも、ヨガについての情報を分かりやすく整理して紹介するような類の入門書ではありません。言ってみれば、私たちが信じ込んでいる固定観念や常識に揺さぶりをかけて、ヨガの世界へと導いていく、そんな入門書です。  若き日の沖正弘氏も、インドの地で常識を揺さぶられる体験をいくつも重ねて、ヨガに魅了されたようです。当時はまだ、日本でヨガを知る者がほとんどおらず、謎に包まれていました。そんな時代に「秘境インド」に渡った沖氏が出会ったヨガは、実にあやしげな魅力に満ちています。歴史的な資料としての価値もありますが、彼の驚くべき体験記は、そこらへんの小説よりも遥かに面白く読めるに違いありません。  第二部では、具体的なヨガの行法が解説されています。これは通読するよりも、折に触れて、自分の興味ある項目だけを拾い上げて読むのに向いています。症状別にどんなヨガの行法が有効であるのか、コンパクトにまとめてあって便利です。  本書において、気取りのない普通の青年として登場する著者の沖正弘氏ですが、彼は後年、世界的な影響力を持つヨガの指導者となりました。彼が創始した沖ヨガは、禅や漢方医学なども取り入れた総合的で独特なヨガです。しかし、その根幹となる部分が、インドでのヨガ修行で築かれたことは間違いありません。本書は、

沖ヨガ美療

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醜さの原因を治し美しさを回復する 沖正弘 著 本体1500円+税 ISBN978-4-87369-100-8 2018年7月発売 四六版並製 248ページ 【著者紹介】 沖 正弘(おき まさひろ) 1919 - 1985年。沖ヨガの創始者。「生命即神」と説く求道的で総合的な沖ヨガは、日本のみならず世界に影響を与えた。著書に『ヨガの喜び』(光文社)、『沖ヨガ美療』(季節社)など。 【本文より抜粋】  ほんとうの美しさを求めて  ヨガとは、もともと統一、調和、安定の意味をもつインド語で、世界で一番古い修行法の哲学です。  私がヨガの修行を志したのも、ヨガによって悟りの人になられたとされている、シャカムニブッダ(ムニとはヨガ修行者)の悟りへの道を学びたいということからでした。  ヨガは悟りを体得し、実行する事に必要な修養法と修行法を総合的に説いているもので、体の訓練(行)を伴った哲学であることが一大特色です。しかし、体の面への効果が大きくかつ学びやすいために、一般には、この効果にむすびつけて、あたかも健康法か治療法か美容法の一種であるかのように商業的に広められています。  今、世界的にそのようなものにヨガの名をつけてブームとなっていますが、ヨガはあくまで心の修養のためのものであり、総合的かつ自然的な理論と方法でない限りヨガとは言えません。ヨガは体だけのもの、心だけのものといった、部分的なものではないのです。  私の説くヨガが、求道的かつ総合的であるために、人々が沖ヨガの名をつけて他の非ヨガ的なものと区別しはじめたのですが(私がつけた名称ではありません)、求道総合ヨガと言うのが本当です。  さて、本来、治療法でも美容法でもないのに、なぜヨガ(たとえ部分的ヨガでも)の実行で、都合の悪いところがよく治り本当の美しさになるのでしょうか。それはヨガが、統一性、調和性、安定性、すなわち自然性を高めるものであり、その実践によって自然性維持回復能力が高まり、不自然性の産物である、痴、醜さ、迷いがなくなっていくからです。  私がヨガを美容に応用する方法を説きはじめたきっかけは、一九五八年、ファッションモデルと美容師の会でその指導を頼まれたことからです。当時、私にとってそれは未知